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公開日:2019年01月27日 更新日:2020年10月04日
現地見学レポート
国立印刷局静岡工場は静岡鉄道(静岡市街地から旧清水市街地を東西につなぐローカル線)の県総合運動場駅から見える施設です。
印刷局とは、主に紙幣(日本銀行券)を印刷している工場で、全国に6ヶ所ある工場の1つが静岡市にあります。
「お札を静岡でも印刷してる」と聞き、工場見学に伺ってきました。
当日はあいにくの雨模様の曇天でしたが、合計90分ほど見学させていただきました
工場見学は事前予約が必須ですので、ホームページより事前にお申し込みください。
https://www.npb.go.jp/ja/event/kengaku/shizuoka.html交通アクセス
現地は駐車場がないため、自動車での訪問はできません。
ただ、静岡鉄道の県総合運動場駅から徒歩で3分ほどなので、鉄道を利用するのがもっとも便利です。
入り口の門に守衛さんがいらっしゃいます。
やはり印刷局だけあって、警備がしっかりしている印象です。入口玄関左手には「官報」を掲示しています。
守衛さんに工場見学に来た旨を伝えると、中へ案内されます。
受付
入ってすぐの建物1階で受付を済ませます。
数人のスタッフが対応されており、ここで身分証明書(免許証等)の提示、バッグの中身をチェックが行われます。
民間の工場見学や職場体験に比べて、非常にチェックが厳しいです。
すでに20名ほどの方が待合室でお待ちでした。
平日のみ工場見学の開催ということもあり、全体的には年配の方がほとんどです。
また、撮影可能な場所もかなり限られており、敷地内は許された場所でしか撮影は許されていません。
そのため、今回は写真がかなり少なめです。
映像鑑賞
スタッフの誘導で映像鑑賞する部屋へ移動します。
途中、紙幣の原料となる「みつまた(三椏)」が場内に植えられています。紙幣の原料は「みつまた」と「アバカ(マニラ麻)」が原料として用いられているそうです。
和紙というと「こうぞ」をイメージしていましたが、こうぞは使用していないとのことでした。
最初は映像鑑賞です。持ち物はすべてロッカーに入れて鑑賞します。
印刷局の歴史、シンボルマーク、生産されている紙幣など国立印刷局の概要を学ぶことができます。
印刷局は日本銀行から依頼されて、紙幣を印刷して決まった数量を東京に納めているそうです。
納品の際には、厳重に警備された車両が引き取りにくるそうで、大量の現金を東京まで運搬しています。
印象に残ったのは、印刷局では硬貨は製造していないということ。硬貨の製造は造幣局という別の組織が担当しているとのことでした。
また、印刷局では「官報」や「収入印紙」といったお札以外の印刷も行っていることも初めて知りました。
製造工場見学
実際の印刷工場を2階からガラス越しに見学できます。
残念ながらこちらも撮影NGで写真はありません。
当日は、印刷機のメンテナンスの日だったらしく、印刷機は動いていませんでした。
また、働いている職員の方は現地採用の方も多く、地元の高校を出てお勤めの方も多いとのことです。
印刷した紙幣は厳重に金庫に保管され、必ず2名で入退室するなど徹底した管理が行われています。
静岡工場は1万円の印刷が多いとのことですが、毎月どのくらい印刷しているか等は非公開とのことでした。
スタッフの方が引率しながら、細かな質問にも丁寧に答えていらっしゃいました。
皆さん、以前は工場で現役で働いていた方が多いそうで、機械についても非常に知識をお持ちでした。
展示室
製造工場見学後、展示室へ移動します。
こちらは撮影OKでした。
展示パネルでは、過去のお札、お札の歴史、現在のお札、お札に求められること、原料、偽装防止の工夫など多様な内容です。
展示室には1億円の紙幣の重さ体験ができ、透明のボックスの中に手を入れ、1億円のお札を持ち上げられます。
持ち上げた感想は、お米(10kg)の袋ぐらいかなという印象です。悪い姿勢でもちあげると、腰を痛めそうなので、お子さんやご年配の方は注意です。
まとめ
お札というとてもデリケートな印刷物の工場の為、全体的にセキュリティが厳しいのは致し方ないですが、もう少し、現場の印刷機を間近で拝見したかったかなという印象です。 ただ、スタッフの方々が親切・丁寧に対応いただいたのが好印象です。
平日のみの工場見学ですが、夏休み期間中は特別開催も実施されていますので、お子さんの自由研究の候補にもなりそうです。
毎日手元にあって手に触れ使用しているお札が、いつも暮らしている街で印刷されていることを実感できる工場でした。